ディバラが「メッシ2世」となる日。CLバルセロナ戦で見えたバロンドール獲得への可能性

ディバラが「メッシ2世」となる日。CLバルセロナ戦で見えたバロンドール獲得への可能性

一昨年のリベンジを果たしたユヴェントスとディバラ

2014-15シーズンのチャンピオンズリーグ決勝での涙を、彼らは決して忘れない。

点差以上に、実力の差が圧倒的だったあの日。

6度目となるCL準優勝という記録は、皮肉にも過去歴代最多。

一方の3冠を達成したバルセロナは、全ての対戦で各国前年度リーグ王者を撃破して優勝を達成した史上初のクラブに。

いつかはリベンジを、その日を待ちわびるファンも多かったに違いない。

そのリベンジを果たす時は意外にも早く訪れた。

そして、それは同時に、パウロ・ディバラという未来のバロンドール候補の一角になりうる逸材を、世界中に知らしめるであろう時でもあった。

 

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 ネイマール、グリーズマンに次ぐ、将来のバロンドール候補に

現在、世界最高のプレーヤーと称されるリオネル・メッシ、クリスティアーノ・ロナウド。

ここ数年は彼ら2人によるバロンドール争奪戦が繰り広げられているが、虎視眈々とその栄冠を狙う次世代スーパースターの存在も忘れてはいけない。

パウロ・ディバラは、アトレティコ・マドリードFWアントワーヌ・グリーズマン、バルセロナFWネイマールという次世代バロンドール候補の次点という存在でしかなかったが、この対戦で彼の評価は少なくとも2人と同等になったはずだ。

 

母国であるアルゼンチンのクラブ、インスティトゥート・デ・コルドバでプロデビューを果たしたのが17歳。

当時、彼の才能がアルゼンチンの多くの人に知れ渡り、いつしか”ラ・ホヤ(宝石)”と呼ばれるようになったのを、日本人である私たちが知ったのは最近のことであろう。

 

シチリア島をホームタウンとするパレルモに入団したのは2012年のこと。

パレルモの会長を務めるマウリツィオ・ザンパリーニは、「新たな”セルヒオ・アグエロ”を獲得した」と声明を発表。

ザンパリーニは多くの監督、選手に対し、そのような表現を使い、多くの首切りを行なってきた過去から、ディバラもそのリスト入りを果たすものだと思われた。

しかし、シーズンが始まると、その表現は極めて適切であり、誇張されたものではないと証明した。

 

ディバラの実力を疑わなかったユヴェントス

彼の実力を信じるものは世界でも多くはなかった。

だからこそ、ユヴェントスが彼に3200万ユーロという高額な移籍金を支払ったのが、当時は衝撃的だった。

彼の才能に3200万ユーロとインセンティブ800万ユーロを支払ったのである。

 

ユヴェントスの先行投資策は、非常に的を得ている。

かつて、ジネディーヌ・ジダンをレアル・マドリードへ移籍させた際は、当時の史上最高額となる移籍金となったし、フィリッポ・インザーギをACミランに移籍させた際も、当時の移籍市場としては非常に高額であった。

プロサッカークラブというのは、強ければ良いというわけではない。

かつて中田英寿が所属したパルマの例を見れば、十分とお分りいただけるだろう。

 

ユヴェントスはパウロ・ディバラへの先行投資を戸惑うことはなかったが、一方で「彼にその価値があるのか?」と躊躇するクラブも多かった。

いや、ユヴェントス以外のほとんどのクラブはそう感じていただろう。

 

マンチェスター・ユナイテッドもその獲得レースに参戦していたクラブの1つだが、ユナイテッド首脳陣は彼の獲得にOKサインを出すことはなかった。

ポール・ポグバもまた、ディバラと同じ例であり、皮肉にも2人ともユヴェントスでは大いに暴れまわっている。

残念ながら、ユナイテッドは”先行投資”という投資センスを持ち合わせていないようだ。

 

リオネル・メッシを超える日もそう遠くはない 

話を戻すと、セリエAでは自らの評価を高めることに成功していたディバラだが、キャリア13試合出場の欧州最高峰の舞台ではわずか3ゴールしか決めておらず、その価値を証明することが出来ないでいた。

そんな事情もあってか、ベスト4の座を争ったバルセロナとの試合での2ゴールは、ディバラ自身の価値を欧州全土に改めて証明したと同時に、比較対象が「セルヒオ・アグエロ」ではなく、同法のスーパースターである「リオネル・メッシ」に変わったことを、ファンも確信した瞬間であったに違いない。

 

ただ、この試合の後に行われたリーガ・エスパニョーラ伝統の一戦である「エル・クラシコ」でのリオネル・メッシは、ディバラのそれとは全く比較にならないほどで、「メッシ衰え報道」を一蹴し、変わらずNo.1であることを証明。

 

世界最高のプレーヤーの比較の対象となるステージまで上り詰めたパウロ・ディバラは、いつの日か彼を超え、バロンドールを獲得する姿を、私たちはこの目で見てみたいものである。

 

 

出典:YouTube

 

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