サッカー界において、記憶に残る選手は、これまで数多くの選手がいる。
マラドーナにペレ、ヨハン・クライフにミッシェル・プラティニ、ベッケンバウアーやロベルト・バッジォなど、まだまだ挙げればキリがないほど、サッカーファンの脳裏に焼き付いている彼らの華麗なプレーの数々。
しかし、華麗な彼らと正反対のプレーで世界中の人々の記憶に残る選手となっている選手がいる。
彼の名は、カルレス・プジョル。
バルセロナのカンテラ出身の選手である。
バルセロナのカンテラ出身といったら、シャビ・エルナンデスやアンドレス・イニエスタ、セスク・ファブレガスやリオネル・メッシなど、サッカーファンなら知らない人はいないほどのテクニックとサッカーセンスを併せ持つ選手ばかり。
しかし、カルロス・プジョルは違う。
正直に言おう、彼はサッカーが下手だ。
これは紛れもない事実であり、バルセロナを知っている人、プジョルを知っている人なら納得の表現ではないだろうか。
パスはバルセロナに所属する選手で一番下手だろうし、守備における戦術の中心にいたわけでもない。
間違いなく11人中11番目の選手だろう。(おそらくGKビクトール・バルデスの方が上手い)
Puyol man, what a player. pic.twitter.com/vUpwY6wALj
— Jayseff⚽️ (@Dalotinho) October 26, 2018
とは言っても、プジョルはこんなプレーも時々見せる。(笑)
プジョルは華麗なパスサッカーを披露するバルセロナで593試合も出場している。
ちなみに、バルセロナの試合出場数ランキングで、公式戦最多出場は元スペイン代表MFシャビ・エルナンデスの767試合。
639試合出場の同代表MFアンドレス・イニエスタが2番手で、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシ、プジョルと続く。
その他の現役選手では同代表MFセルヒオ・ブスケツが443試合、同代表DFジェラール・ピケが406試合に出場している。
では、なぜ、下手なプジョルが、あの華麗なパスサッカーを繰り広げるバルセロナで593試合も出場できたのか。
長髪をなびかせる彼の泥臭いプレーに、クレ(バルセロナのファンの呼称)の人々は心を打たれ、心酔した。
身長178cmは、CBとして低い分類に入るが、それでも彼が競り負けたシーンを思い出すことが困難なほどに、ヘディングの競り合いには滅法強かった。
また、プジョルという男を象徴させるシーンが、2002年10月23日、チャンピオンズリーグのロコモティフ・モスクワ戦で起きた。
空っぽのゴールに立ちはだかり、相手のシュートを右胸に当てて、弾き出した。
これはファンに、伝説のように語り継がれているプレーである。
さて、カルロス・プジョルをある程度知っている人なら、彼のプレー動画なんて見なくても良いと思う。
プレーの質を見るのに、プジョルを見る必要はない。(笑)
プジョルの見るべきところは、闘争心と彼の人格者としての部分であろうか。
なかなか、TOPレベルのサッカー選手であっても、人間性がプジョルほどしっかりしている人はそうはいない。
真面目であり、間違ったことをした仲間がいれば叱責する。
「上手いからキャプテン」というのは、ジュニアやユース世代に限らず、プロの世界でも多くある。
しかし、本来、サッカー選手が目指すべきキャプテン像は、プジョルのようであるべきだろう。
時には、エリック・アビダルにゴールを捧げ。
ロナウジーニョの怒りを納め。
そして、チームメイトのふざけた行動にストップをかけたり。
サッカー以外のことで、人間的に素晴らしいプジョルから学ぶべきことは数多い。
彼のそんなところを、今回は見ていただきたい。
出典:YouTube