アシスト王からベンチ外へ。コンテ”構想外”のセスク・ファブレガスがチェルシーで生きる術。

アシスト王からベンチ外へ。コンテ”構想外”のセスク・ファブレガスがチェルシーで生きる術。

一昨シーズン、稀有なパスセンスを持つスペイン人MFは、間違いなくチェルシーの中心選手であった。

 

バルサでトップデビューを果たすことなく、異国ロンドンで飛躍を遂げたセスク・ファブレガス。

 

「シャビの後継者」として古巣バルセロナに復帰するも、彼のバルセロナでの位置付けは非常に微妙なものであった。

 

そこはまだ”シャビのバルサ”であったため、イニエスタ、メッシを含めた彼ら3人の2番手としてプレーする現実。

 

彼がそこで結果を出すのは非常に難しかったに違いないだろう。

 

それでも彼は、チームで4番目に長い出場時間を記録。

 

「それなのに」なのか、「だから」なのか、彼はバルサを追われた。

 

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そして、セスクが我が家を飛び出して、やってきた地は再びのロンドン。

 

当初、セスクを迎え入れるであろうと思われたアーセナル。

 

しかし、恩師アーセン・ヴェンゲルはレアル・マドリードから獲得したメスト・エジルを中心にチーム作りを進めたため、アーセナル復帰は叶わず。

 

そこで手をあげたのがバルサの永遠のライバルであるレアル・マドリードの監督をしていたジョゼ・モウリーニョ。

 

バルセロナで活躍するセスクのパスセンスに、レアル・マドリード監督ながら惚れ込んだモウリーニョは、彼を中心としたチーム作りを敢行。

 

チェルシー移籍初年度にプレミアを無類の強さで勝ち続け、優勝を果たした。

 

 

しかし、今シーズンのチェルシーの中心にセスクの姿はない。

中心どころか、ピッチにも立っておらず、ベンチにすら姿が見えないことが多い。

 

 

一体、何が??

 

 

今シーズンよりチェルシー監督に就任したアントニオ・コンテは、選手に対して非常に要求が高いことで知られている。

 

セスク・ファブレガスはディフェンス面において、コンテが要求するところに達しておらず、今シーズン開幕前より、コンテはセスクを構想外としていたという。

 

とはいえ、過去2シーズン、特にプレミア優勝を果たした14-15シーズンの彼の活躍は素晴らしく(18アシスト、パス成功数2336本は、ともにリーグ最多で、アシスト王を獲得)、リーグMVPをエデン・アザールではなく、セスクにあげても良かったと思えるくらい。

 

彼の存在なくして、チェルシー5年ぶりのプレミア制覇はなかっただろう。

 

しかし、昨シーズンのチェルシー成績不振の一因とされ(成績不振の原因は山のように多くあり、セスクの不調=チェルシーの成績不振と言い切れない)、クラブもCL圏争いさえもできないまま10位でシーズンを終えた。

 

そして、皮肉にも、セスクが最後に先発出場したプレミアリーグ第6節アーセナル戦(55分に交代)を0-3で落とした後、コンテは伝家の宝刀「3-4-3」を強行採用。

 

そこから破竹の勢いでプレミア7連勝。

 

その間、セスクはプレミア第14節のマンチェスター・シティ戦まで出場時間0分。

 

それは、コンテ監督が採用する「3-4-3」に最適なプレーヤーだとは考えられていないようであった。

 

そんな中、12月3日に行われたプレミア第14節マンチェスター・シティ戦では先発に抜擢。

 

ジエゴ・コスタにピンポイントのパスを供給してアシストを記録するなど、持ち前の高い技術がまだまだトップレベルで通用することを証明した。

 

このシティ戦が一つのきっかけとなったのか、セスクはその後の第15節WBA戦は途中出場であったものの、第16節サンダーランド戦で再び先発メンバーに名を連ね、決勝点となるゴールを決めた。

 

出典:Goal.com

 

 

これでチェルシーはプレミア10連勝。

 

シティ戦での今季2度目、プレミア第6節アーセナル戦以来となる先発出場が、負傷のネマニャ・マティッチの代役であったとはいえ、そのパフォーマンスは素晴らしいの一言。

 

デフェンス面が改善されたとは一概には言えないが、その”短所”を”長所”で補う活躍を見せている。

 

それが良いのかは現時点では不明。

 

しかし、わかっているのは、セスクの”それ”が、現在、彼のチェルシーでの生きる術だということ。

 

2016年も終わろうとしている今日この頃、彼の重要さを再認識させられたのは、きっと私だけではないはずだ。

 

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出典:YouTube

 

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