エデン・アザールの驚異の加速力とキープ力。
彼のプレーを見たことがある人なら、おそらく多くの人が彼のプレーをこう思うであろう。
身長173cm、体重76kg。上背はなく、サッカー選手としては小柄。
しかし、当たりの激しいプレミアリーグで当たり負けすることなく、むしろ屈強なDFが倒されるシーンを何度も目にしてきた。
そして、アザールは、屈強な彼らをいとも簡単にドリブルで置き去りにしていく。
それも、ものすごいスピードで。
アザールのそれは、ドリブルコントロールに狂いはなく、フィニッシュまで確実に持っていく。
その秘密を探ってみると、どうやら「お尻」と「すり足」にあるのではないだろうか、と。
屈強なDFにも当たり負けないアザールのお尻
アザールのお尻は、いわゆる「プリケツ」なのですが、欧米人は元々「プリケツ」である人が多い。
アザールは、その欧米人の中でも「プリケツ of プリケツ」なのである。
では、なぜ、欧米人はお尻が大きいのか。
日本人は、欧米人に比べてお尻の位置(高さ)が低い。
なぜか?
欧米人は、日本人に比べて、ハムストリング(太ももの裏の筋肉)が発達しており、必然的に骨盤が前傾して、お尻の位置が高くなる。
出典:https://www.shinagawa.com/article/column/content112.html
欧米人と日本人は、骨盤の位置が違うのである。
DFを置き去りにする、アザールの高速すり足ドリブル
アザールの高速ドリブルを可能にする秘密。
それは「すり足」。
元来、長身選手に多い「すり足」走法。
ピーター・クラウチや、日本人だと平山相太なんかもそれに入る。
重心を低くし、膝を上げずにすり足気味に走る「すり足走法」は、步幅を狭くしてボールタッチを多くし、ボールコントロールを良くすると言われている。
長身選手が、ウサイン・ボルトのように走れば確かに速いが、膝を上げるあの走り方は、歩幅が広くなり、ボールコントロールに支障が出る。
そのため、長身選手の成長期には、この「すり足走法」を指導する指導者も少なくない。
ちなみに、私もその「すり足走法」を指導された1人である。
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当時、小学校5年生にして165cmほどあった私は、急激に身長が伸びたおかげで、ドリブルの感覚が全く違うものになってしまった。
身長が伸びる前と同じ走り方をしていたため(自分ではそう思っていたけれど、きっと急激な成長で走り方も以前とは違うものになっていたと思う)、ボールがすごく遠くにあるように感じていた。
これは目線の高さが違うので、当然と言えば当然の話。
これをまた、歩幅が合わず、走りながらトラップすることも難しくなっていた。
分からない人には分からないとは思うが、急激に身長が伸びると本当にこうなる。
よって、この解決策として「すり足走法」を私は取り入れたわけである。
またこれは、陸上の瀬古利彦さんが「上下にブレない走り方」=「すり足走法?」として活躍しており、体力の消耗を抑えるためでもあったのは、後日聞かされた話である。
では、話を戻そう。
アザールがこの「すり足走法」を取り入れている理由は明らかにされていないが。
おそらく。
「歩幅を狭く、足の回転を速くし、ボールタッチの回数を増やして、高速ドリブルの急な進路変更を可能にする。膝を上げずに重心が低く保たれているので、ドリブルで抜いた後に大型DFの懐に入るのを容易にする。」
タッチ数が多い彼のドリブルに、DFは闇雲にボールを取りには行けない。
※高速ドリブルとは言っているが、果たして彼のドリブルが速いのかどうなのかは、分からない。
これもよくある話だが、実は統計を取ってみると、「ドリブルスピード自体は速くなく、足の回転でそう見えるだけ」とか、「相手を抜いた瞬間だけ速い」とか。
「100m走したら、意外と遅かった」なんて話は、私の経験上でも、そんな人は多くいる。
アザールの秘密とか言って、色々書いてみたけれど。
やっぱり早い話、見たほうが早いと思う。
エンゼルスの大谷翔平選手が、メジャー開幕前まで苦戦していたのが、開幕後に大活躍できたのは、打撃フォームを変えたからだと言われている。
この話は皆さんも知っているとは思うが。
実は、それを参考にしたのが、先日メジャー通算3000本安打を達成したプホルス選手。
日本ハム時代から、大谷翔平は「ものまね名人」と言われていたらしく、投球フォームや打撃フォームなどを真似するのが得意だったとか。
これは、大谷翔平の類稀なる才能であり、そこにも隠された秘密があるのだが、それはまた後日。
スキルアップの近道は、真似すること。
出典:YouTube