サッカー好きはW杯で覚えよう!FIFAランキングとELOレーティングの仕組みと違い。

サッカー好きはW杯で覚えよう!FIFAランキングとELOレーティングの仕組みと違い。

サッカー好きなら、当然知っているであろうFIFAランキングとELOレーティングの仕組みと違いについて

サッカー好きなら、当然知っているであろうFIFAランキングELOレーティングの仕組みと違いについて。

まずは、全く当てにならないFIFAランキングについて。

FIFAランキングが全く当てにならないのは、サッカーファンの間では割と有名な話。

さて、知らない人の為に、例をいくつか挙げながら、説明していこう。

 

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「全く当てにならない」で有名なFIFAランキング

世間一般、メディアなどで報じられる指標として用いられているFIFAランキング

ブラジルW杯では世界ランク1位のスペインが予選グループリーグで連敗を喫し、グループリーグ敗退が決まったのは、皆さんもご存知の通り。

 

そして開催国であったブラジルは2013年6月に世界ランク22位を記録している。

しかし、直後に行われたコンフェデレーションズカップでは優勝を果たしている。(この時、ブラジルはスペインに3-0で勝利)

ここからブラジルは順位を上げていき、ブラジルW杯直前には世界ランク3位を記録している。

 

では、なぜ、このようなことが起こるのか。

これは「ジャイアントキリング」なのか。

だとしたら、「ジャイアントキリング起こりすぎ問題」が浮上してくるわけだが。

実は、このFIFAランキングには大きなカラクリが存在している。

 

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FIFAランキングに隠れる大きなカラクリの存在

このFIFAランキングに隠れる大きなカラクリの存在。

なぜ、FIFAランキングは当てにならないのか。

 

このFIFAランキングは過去4年間での国際Aマッチでの獲得ポイント数から算出されるのだが、その算出される要素となるのが主に4つある。

①試合の勝敗

②地域レベル(大陸間ポイント)

③対戦国レベル

④大会の重要度

 

上記の4項目の中で、最も問題となっているのが、「②地域レベル(大陸間ポイント)」。

この大陸間ポイントと言われるものは、強豪国が多く所属している地域ほどポイントが高くなっている。

大陸間ポイントが高いのが”ヨーロッパ“と”南米“。

例えば、W杯ヨーロッパ予選や南米予選などの場合、その国はポイントが上がりやすい。

 

最もポイントが上がりやすいのは、「ヨーロッパと南米(地域)の強豪国同士(対戦国レベル)で、W杯本大会(大会の重要度)を戦い、勝つこと(試合の勝敗)」ということになる。

一方、最もポイントが上がりにくいのは、「アジア・オセアニア地域の、弱小国同士で、親善試合」で、勝ってもほとんどポイントが上がることはない。

 

 

上記の基準を考えると「地域の強さ」レベルが高く設定されているヨーロッパや南米はそれぞれ同じ地域の国と対戦することが多いので必然的にランクは上がりやすい。

また、アフリカや中南米といった大陸は「試合の重要度」が高いアフリカネイションズカップ、北中米ゴールドカップという大陸カップが2年毎に行われている(アジアカップは4年に1度)のでFIFAランクポイントを稼ぎやすく、比較的上位に位置される。

アジア・オセアニアは地域レベルも低く設定されており、W杯予選以外は親善試合ばかり(しかも、対戦国はアジア・オセアニア地域の国が多い)。

また、アジア・オセアニア地域の国がヨーロッパや南米の国と試合をするのは、それも親善試合が主になってくるので、勝ってもポイントはさほど上がらない。

 

よって、ヨーロッパと国同士・南米の国同士が戦うとポイントが上がりやすいということになる。

 

(例)フランスvs日本、フランスvsブラジルの試合が行われたとき、フランスがどちらにも負け、日本とブラジルが勝ったのに、貰えるポイントはブラジルの方が多いことになる。

 

 

 

W杯開催国のFIFAランクが異常に低いワケ

毎回、W杯ごとに、その開催国の順位が異常に低いのが目につくかと思う。

これは、開催国はW杯予選が免除されるため、公式戦の機会が極端に減り、重要度の低い親善試合しか行えないからである。

2014ブラジルW杯前のブラジルの順位は、13年6月に史上最低順位となる22位を記録。

その後、コンフェデレーションズカップで優勝などで順位を上げていき、最終的には3位まで上げているが、この22位は歴代過去最低ランクとなっている。

 

2018ロシアW杯でのロシア代表のFIFAランキングは70位。

これは、ロシアW杯に出場する国の中で最低順位。

 

 

 

歴代W杯開催国の開幕直前順位を調べてみた。

 

・1998フランスW杯→フランス代表(18位)

・2002日韓W杯→日本代表(32位)・韓国代表(40位)

・2006ドイツW杯→ドイツ代表(19位)

・2010南アフリカW杯→南アフリカ代表(83位)

・2014ブラジルW杯→ブラジル代表(3位)

 


 

1998フランスW杯直前でのフランスのFIFAランキングは18位。

なんと、日本はこの時、12位でフランス代表よりもFIFAランキングが高いにも関わらず、グループリーグ敗退(3戦全敗)。

ちなみに、フランス代表はこの自国開催のW杯で優勝している。

 


 

2002日韓W杯の開催国である日本と韓国はおそらくこのランキングで異論は無いはず。(笑)

ちなみに、韓国代表はこの大会でベスト4に。

 


 

2006ドイツW杯直前でのドイツ代表のFIFAランキングは19位。

この時、日本は18位で、ドイツ代表よりもランキングが高いにも関わらず、グループリーグ敗退。

開催国であるドイツ代表は、ポルトガルとの3位決定戦を制して、見事3位に。

優勝したイタリア代表の直前のFIFAランキングは13位。

 


 

2010南アフリカW杯直前の南アフリカ代表のFIFAランキングは83位。

これは…実力通りですかね…(笑)

優勝したスペイン代表の直前のFIFAランキングは2位。

 


 

2014ブラジルW杯直前のブラジル代表のFIFAランキングは3位。

ブラジル代表は4位に。

優勝したドイツ代表のFIFAランキングは2位。

3位のオランダ代表は15位でした。

 


 

実力がうまく反映されないFIFAランキング。

では、何か良い指標はないのか。

ありました、それがELOレーティングです。

 

 

 

FIFAランキングより信頼できるELOレーティングとは

このELOレーティングは、元々はチェス用に作られたものだが、1対1の勝負をつける競技ならなんでも応用できるとして、サッカーにも用いられている。

 

ELOレーティング(イロレーティング)は、レートが上の相手に勝つとグンっとレートが上がり、レートが下の相手に負けたらガクッとレートが下がる。

 

 

簡潔にELOレーティングについて書いていきたいと思います。

 

・ELOレーティングでは、各国それぞれにポイントが付与されている。

・勝敗でポイントが変動し、強い方が弱い方に勝ってもそれほどポイントは付与されず、ジャイアントキリングが起こると弱い方のポイントが大きく付与される。引き分けの場合は、弱い方のポイントが上昇する。

・しっかり計算されたELOレーティングは、FIFAランキングのようなセコいポイントの稼ぎ方はできず、本当に強いものが上位にランクインできる仕組み。

 

 

ロシアW杯出場国32ヵ国の開幕直前のELOレーティングがこれ。

 

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ELOレーティングとFIFAランキングから読み取る、ロシアW杯で残念だった国

FIFAランキングよりも信頼性に長けているとは言っても、勝負の世界では何が起こるかわからない。

そこで、区切りとなるベスト16入りした国で、少し調べてみましょう。

 

※()内はFIFAランキング

【ドイツ代表(1)】

ELOレーティング2位のドイツは、FIFAランキングで1位を記録。

当然、ロシアW杯でも優勝を期待されていたが、まさかのGL敗退。

これで前回大会優勝国がGL敗退するのはイタリア、スペインに続き3大会連続で、謎のジンクスが継続中である。

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【ペルー代表(11)】

残念な国、2番目にランクインしたのはペルー。

レーティング10位のペルーはFIFAランキングで11位を記録。

本来、決勝トーナメント進出して当たり前のペルーだが、まさかのGL敗退。

36年ぶりのW杯出場で緊張もあったのか、勝利まで遠く、GL3戦目にして、ようやく36年ぶりの白星を獲得。

「育成大国」とも称されるペルー、40年ぶりのW杯はほろ苦いものとなった。

 

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【アルゼンチン代表(5)】

残念な国、3番目はアルゼンチン。

ELOレーティング5位のアルゼンチンは、FIFAランキングで5位を記録。

世界最高の選手の呼び声が高いリオネル・メッシを擁するアルゼンチンだが、残念ながら期待を裏切る結果となってしまった。

FWゴンサロ・イグアイン、MFアンヘル・ディ・マリア、FWセルヒオ・アグエロ、FWパウロ・ディバラなど、攻撃陣は世界No.1。

しかし、W杯前からの懸念であった守備面に関しては、クロアチア相手に3失点、フランス相手に4失点を喫するなど、克服することができなかった

いくらリオネル・メッシと言えども、これだけ失点されては、元も子もない。

 

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【ポーランド代表(8)】

最も残念だった国、ポーランド。

ELOレーティング16位のポーランドは、なんとFIFAランキングで8位を記録。

本来なら、ベスト8進出、最低でも決勝トーナメント進出はしなければならないが、まさかのGL敗退。

そして、この大波乱を起こしたドラマの主人公は、私がここで言うまでもないだろう。

 

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ELOレーティングとFIFAランキングから読み取る、ロシアW杯で躍進した国

【ロシア代表(70)】

ELOレーティング45位のロシアは、FIFAランキングで70位を記録。

ロシアはW杯開催国なので、予選免除だが、”W杯史上最弱の開催国”のレッテルを貼られたまま、開幕を迎えることに。

予選免除のためFIFAランキングでは70位と、ELOレーティング45位の数字と大きくかけ離れている。

しかし、直前の親善試合では、ブラジルとフランスに完敗。オーストリアにも敗れ、トルコとは引き分けになるなど、白星が得られなかったが、本大会での躍進は、ここで言うまでもないだろう。

守備からのカウンター攻撃は非常に徹底されており、勝利への執念を感じた。

ロシアW杯で最も躍進した国の1つであろう。

 

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【日本代表(61)】

ELOレーティング43位の日本は、FIFAランキングで61位を記録している。

FIFAランキング16位のコロンビアを破り(どんな形であれ、勝ちは勝ち)、同27位のセネガルに引き分け、同8位のポーランドには負けてしまったが、フェアプレーポイントの差で決勝トーナメント進出。

グループでは最もランキングが低く、3戦全敗予想が多かった中、良い意味で裏切ってくれた。

初戦のコロンビアからの勝利が、全ての番狂わせの始まりであり、ポーランドはその番狂わせに見事に巻き込まれた。

ラウンド16でのベルギー戦では、ラストでベルギーの”本気”を見たが、そこまで追い込んだ日本には拍手を送りたい(かといって、日本が強いかと言ったら、それはまた別の話)。

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【クロアチア代表(20)】

ELOレーティングで17位のクロアチア代表は、FIFAランキングで20位を記録。

ベスト8進出でも御の字なのに、まさかの決勝進出。

度重なる延長戦でも集中力を切らさず、ヨーロッパ勢の中でも大きく躍進したクロアチア。

その中でも、大会MVPに輝いたルカ・モドリッチの活躍無くして、クロアチアの決勝進出は無かっただろう。

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果たしてELOレーティングはFIFAランキングよりも信頼できるか?

結果的に、今回のロシアW杯の優勝は、FIFAランキング7位のフランス代表で、ELOレーティングでは4位を記録している。

FIFAランキングだけで見るなら、フランス代表の優勝は、予想できなかったが、ELOレーティングで見れば、十分に優勝候補の一角として予想することはできた。

 

ただ、サッカーに限らず、チームスポーツと呼ばれるものは、強さを示すそれぞれの指標が上手く機能を果たさないこともある。

今回のロシアW杯のドイツ代表やスペイン代表、アルゼンチン代表のように、前評判を裏切るようなチームも出てくれば、クロアチア代表や日本代表のように、ランキング以上の活躍を見せるチームも現れる。

だからこそ、「ジャイアントキリング(下克上)」という言葉が存在し、ファンはそれを楽しむのである。

 

 

 

 

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