ポジショナルプレーでよく耳にする「3つの優位性」とは?
ペップバルサが誕生し、サッカー界を席巻し始めた頃から、ポジショナルプレーやら、5レーン理論やら、ポゼッションやら、あまり聞いたことない用語を耳にする機会が増えたと思う人は、いるだろう。
一概にポジショナルプレーと言っても、そのスタイルは様々で、ペップのようなスタイルはスペイン的だが、コンテやデ・ゼルビのそれは、ペップとはまたスタイルが異なる。
異なるスタイルがある中、ポジショナルプレーには共通の原則がある。
ポジショナルプレーの原則
その原則は「優位性を保てる状態でボールを受けるプレー」。
さて、その優位性というのが、今回のキーワードである、3つの優位性というもの。
1つめが質的優位性。
2つめが量的優位性。
3つめが位置的優位性。
これら3つの優位性を生み出せる状態で、味方からパスを受けることができるポジションを取ること。
異なるスタイルがあれど、これが共通するポジショナルプレーの原則。
質的優位性
1つめは質的優位性。マッチアップする相手に対して、能力的に上回り優位に立つこと。スピードやヘディングで相手に負けないなどが具体例。
量的優位性
2つめは量的優位性。つまり数的優位のこと。ビルドアップ時に、DMFが2CBの間に落ちてくることで、最終ラインにおいて数的優位を生み出す。
位置的優位性
3つめは位置的優位性。2人のDFの間で受けたりすること。よく言われるのが、相手DF3人トライアングルの中央でボールを受けたり。3人のDFは誰がアプローチに行くのか迷うので、他のスペースで数的優位を作ったりする。
サッカーの目的ってなんですか?
ポジショナルプレーにおける、3つの優位性を簡単に説明したが、これらは全てサッカーの目的達成のための手段や形に過ぎない。
サッカーの目的ってなんですか??
「相手チームよりも得点を多く奪い、勝利すること」。
また、失点が少なければ、勝利する確率も上がる。
目的達成のためにポジショナルプレーが目指すべきところ
ポジショナルプレーが目指すべきところは、自分たちがボールを保有することで、目的を達成するための最適な陣形を組むこと。つまり、得点しやすく、失点しづらい陣形。
上記の動画は、自分たちの陣形を組んでいるので、ボールロストからボール奪取までのスピードが速い。つまり、失点する確率が低く、なおかつ、得点の確率も下げずに維持したまま、むしろ、相手の重心が前に移動しかかったところでのボール奪取なので、得点確率は少しは上がっているかもしれない。
そのために3つの優位性の理解は非常に重要。
ただ単純にボールを保有することを目的としてしまうと、サッカーの本質から遠ざかる。そこを履き違えると、現代サッカーを理解することは難しくなるだろう。
まとめ
3つの優位性を生み出す状態で味方からのパスを受けることができるポジションを取る時、同じ位置で受けても、受ける選手が変われば、その後のプレーの選択肢は大きく異なる。
相手チームよりも優位に立つこと。簡単に言えば、1枚剥がせるだけで、サッカーの目的達成に限りなく近づき、ほんの少しだけサッカーが面白くなるだろう。