現代サッカーにおいて、大型ボランチはチームを優勝に導く欠かせない存在に。
彼らは、それまでの「ハードワーカー」タイプのボランチとは異なる。
頭を使い、相手攻撃を予想して、絶妙なポジショニングで守備をし、闇雲に走ることは決してない。
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世界の大型ボランチの系譜が始まったのは、おそらくパトリック・ヴィエラからだろう。
先日の【アーセナル無敗優勝”インビジブルズ”】最高のボランチ “パトリック・ヴィエラ” を知らないあなたへでも紹介したヴィエラ。
ヴィエラを要したアーセナルは、03-04シーズンにプレミアリーグ無敗優勝を成し遂げ、”インビジブルズ” 無敵のチームと呼ばれた。
ヴィエラは、”インビジブルズ”でキャプテンマークを巻き、チームを鼓舞した。
192cmという、それまでの大型プレーヤーの概念(大型プレーヤーはGK、CB、CFに配置されることが多かった)を崩したヴィエラ。
長い足で、絡め取るように、相手からボールを奪い、攻撃に転じる。
足元のテクニックは、当時の長身、大型プレーヤーには珍しいくらいうまかった。
その後、台頭してきたのがヤヤ・トゥーレだろう。
2007年夏、ASモナコからバルセロナに移籍金900万ユーロで移籍したヤヤ・トゥーレ。
バルセロナ初のコートジボワール人プレーヤーで、08-09シーズンの3冠達成に大きく貢献した。
ヤヤ・トゥーレはそのプレースタイルから、フランス代表MFパトリック・ヴィエラと比較されることが多い。
トゥーレ本人は
「ヴィエラのことはとても尊敬している。だけど、自分にも才能があると思っている。」
と語っている。
現在でも、所属するマンチェスター・シティで中盤の要としてプレミアリーグ優勝に貢献している。
そして新世代の大型ボランチ。
まず、1人目は、セルヒオ・ブスケッツ。
新世代?かどうかは微妙ですが、20代の大型ボランチとして名前が挙がる存在ではないでしょうか。
バルセロナのカンテラ育ちで、2008年にトップチームに昇格。次第にヤヤ・トゥーレのポジションを奪っていった。
彼は、守備というよりも、パス能力やポゼッションにおいて能力がずば抜けて高く、バルセロナサッカーにおいて、最もサッカーIQを必要とするボランチを任されている。
周囲の状況を瞬時に判断し、最良のパス選択をするブスケッツは、14-15シーズンにバルセロナ3冠達成の影のMVPだと、個人的に思っています。
2人目は、ネマニャ・マティッチ。
チェルシーの中盤の底でセスク・ファブレガスとコンビを組むマティッチは、主に守備に重きを置いてプレー。
コンビのセスクが攻撃を担当なら、マティッチは守備を。
相手がボールを持ったところに、必ずマティッチはいる。
190cmを超える長身ながら、機敏に動き、確実に相手攻撃の芽を摘む。
大型ボランチには珍しいハードワーカータイプのボランチ。
2009年にチェルシーに移籍するも、手厚い選手層で出場機会はなく、ローン移籍。
その後、移籍したベンフィカでの活躍が認められ、2014年冬にチェルシーに戻ってくることに。
今では、ジョゼ・モウリーニョ監督のサッカーに非常にマッチしており、14-15シーズンのプレミアリーグ優勝に貢献した。
そして、3人目。
ウェストハム所属のリース・オックスフォード。
先日、【第2のヴィエラ現る?】エジルを封じたウェストハムの16歳オックスフォードを知らないあなたへでも紹介したオックスフォード。
詳しくはリンクに飛んでいただければと思うのですが。
彼はなんとまだ16歳。
もともとDFとして登録していたそうですが、プレシーズンでのボランチの感触がよく、そのままアーセナル戦でボランチ起用とのこと。
期待できそうな大型ボランチが、また1人現れました。
今回は、セルヒオ・ブスケッツの動画。
体をうまく使い、相手に取られないボールキープの仕方は、夢見る未来のスタープレーヤー候補でも真似できるところはあるはず。
ぜひご覧ください。
https://youtu.be/kkwQ9jBcMCs
出典:YouTube